5月15日
9時位に起床。
昨日から雨がジャンジャン降っていて洗濯物も乾いていないだろうから早く起きる必要がなかった。
最悪もう一日羅東で時間をつぶしてもそれはそれで正解かもしれないとも思った。
それはこれから走行する清水断崖がかなり危険な為、台湾号の再整備をする必要があったから。
ゲバラは羅東市内のGIANT(世界最大の自転車メーカー)の直売店に行って補助工具を購入。
その帰りに青空盲人按摩によって身体のメンテもした。
そして昼から台湾号の整備を始めた。
傷んでる箇所は無い。 たぶん。
不確定要素が残るのは整備士ゲバラはそれほどの腕前ではないから。
アイルトン・セナだって自分じゃタイヤ交換できないはず。
大自然に一匹狼で挑むチャリダーは走行、修理、輸送、体調管理、宿探し、その全てを自分一人でやらなきゃいけない。
大金持ちの坊ちゃまには向かない、ちょっとした冒険的要素がある。
17時過ぎ、全身びしょ濡れのチャリダーが宿に来た。
聞けば花蓮を朝6時に出発したそう。
であればこの天気なのに蘇花公路という危険な道を走破してきたかもしれない。
自転車も装備もプロ仕様なのでその可能性が高い。
ゲバラは自己紹介もしない内に聞いてみた「あそこ通ってきたの?」
彼は 「そうだ」 と誇らしくいった。
この彼は黄小虎という方で香港から台湾一周しにきたそう。
その晩、小虎さんと麻辣臭豆腐の屋台で宴会をし蘇花公路の情報を聞いた。
彼の話には「非常」「特別」「注意」「危険」「落石」というキーワードが沢山出てくる。
事前情報で蘇花公路の危険性は嫌と言うほど知っていた。
危機管理的には通らないほうがいい。 それは百も承知。
小虎さんとゲバラは歳が近かった。
同じ目的で台湾に来て、偶然知り合って酒を飲み意気投合した。
お互い似たり寄ったりで注意喚起すればするほど逆に行ってしまう奴らだ。
「行かないほうがいい」と小虎さんは言うけど、それは「行ってこい」って事なんだ。
行かないと一生後悔する。
ちなみに明日ゲバラが通る予定の道は小虎さんが通ってきた蘇花公路ではなく、
閉鎖され放置された旧蘇花公路。廃道で交通局は 遺棄公路 と言っている。
ドキドキしたい年頃はとっくに過ぎてるはずだからただの馬鹿なんだろう。
この晩の宴は女店主まで巻き込み店を 閉店させ やりたい放題だった。