第三天 金山~野柳地質公園~羅東

遅れを取り戻す    走行135キロ


貸切地質公園
貸切地質公園

5月14日 

朝6時きっかりに宿を出発し1時間も走らないうちに野柳地質公園に着く。

ここは世界有数の奇石海岸で昼間は観光客がわんさかいるようだがまだ朝の7時前、釣り人が何人かいるだけだった。

この素晴らしい景色をほぼ独り占めできるなんて結構な贅沢だろう。

 

この日の走行ルート 135キロ
この日の走行ルート 135キロ

この日の朝ご飯は9時半、基隆(ジールン)の街でのワンタン麵。

何で出汁を取っているかは分からないが、桜エビを揚げたやつが入っていてそれがいいアクセントになっている。 うまい。
ちなみに桜エビというやつは日本の駿河湾と台湾の東沖でしか獲れないそう。

 

基隆を過ぎた辺りから日差しが強くなってきた、予報は雨だったのでこれはありがたい。 また海辺の景色も素晴らしい。

今回の旅で一番の晴天だった。

ず~っとこんな天気が続けばいい お酒はぬるめの燗がいい。

金山を出てから55キロ、澳底(アォディ)という町のセブンイレブンで2回目の食事休憩をした。

時間は13時30分 いつも通り寄り道を繰り返してる割にはいいペースで進んでいる。

 

 さてセブンイレブンで何を食べようか迷っていると、「何かお探しですか?」って店員はわざわざレジから飛び出してきて対応してくれる。

ゲバラは「何を食べようか 迷っていて・・」と答えると

女子店員は「それならカレーがいいですよ」って言う

ゲバラは言われるがままジャワカレーを選択、台湾では ジャワカレー を 爪哇咖哩飯 と書くようだ。

しかしなんでゲバラの昼食にカレーがいいのかこの女子店員に分かるのだろう?

迷った時はカレーがいいのか? 

スティーブ・ジョブズも若手起業者に「迷ったらインドへ行け」という言葉を遺している。

「それだったらカレーがいいですよ」って進言してくれるコンビニ店員が日本にいるだろうか・・・

親切と差し出がましさの境界線は個人の性別や民族、年齢、好感度によってだいぶ違う。

私は彼女に好感を覚えたけど、同じ事を私が彼女にしたら、好意を行為と勘違いされる。

 

口の周りにカレーを付けながら福隆(フーロン)という街に入った。

駅前には若者や西洋人などが太陽がいっぱいという感じでいる。

初めて来た場所なのにどこか懐かしい、出店が所狭しと連なっていてフーテンの寅さんなら「オイラここに決めた」となる。 

この福隆を過ぎた辺りで草嶺隊道(草嶺トンネル)という標識があってそのわきに自転車推奨マークがあった。

自転車の為のトンネルなのか? 何もカニも分からないが、ゲバラ的にここは 行け である。 

これまでの人生も横道に外れまくってなぜか今台湾を走っているゲバラ。

もう 立入禁止だって突破すればいい。 肴はあぶったイカでいい。

 

進むと自転車を貸し出している店があり、子供から大人まで自転車に乗っている。

台湾人にとってここを自転車で走る事は何かしらの意義があるのかもしれない。

トンネルはその先にあった。入口の人垣をかき分け入るとトンネル内はクーラーが効いているような涼しさだった。

全長2キロのトンネルは途中新北市と宜蘭県をまたいでいた。

このトンネル内の県境はフォトスポットらしく事故が多発する。  
県境を背景に自画撮り棒で最高の笑顔を作っている女子に自転車が突っ込む。
ゲバラ自身その事故を正に体験した。

 

トンネルを抜けると展望台があって大海原が広がっていた。

20分位暗がりの中にいたから海が動く雪原のように見える。

眼の錯覚とは言えこの光景は忘れられない。

川端康成だったらどう表現しただろう。

 

それから国道2号線(北部浜海公路)をひたすら走り時々奇声を発した。

 

大海原にくじらを見たと言って一体全体誰が信じてくれるだろう?

まぁ正確にはくじらの潮吹きでくじら本体ではないのだけど、

「くじらの潮吹きをオレは見たことがある!」となぜか胸を張ってしまう。

 

目的地の羅東のユースには18時きっかり到着。

今日は11時間ライドし135キロ走行した。

比較的道が平坦だったので疲れはない。

 

羅東でお世話になったのは緑舎というユース。

ここも看板のない宿で郵便ポストに小さく 緑舎 と書いているのみ

それでもコアな旅人が噂だけを頼りにやって来るから不思議なもんだ。

 

呼び出しベルを鳴らすと女性が出てきた。

18時なのにまだ掃除してないそう。 なかなかやるじゃないか。

こいつは夏休みの最終日まで宿題をやらないで2学期の初日にくまを作ってくる奴だ。

 

羅東の夜市で酒を堪能しおじやで〆た。

これがなんとも美味だった。

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