第九天 12月7日 台南の休日 走行0キロ
7時半起床
今いるこの場所は謝謝台湾隊の熱心なサポーター呉女史の自宅兼 謝謝台湾隊台南支部 という所で要はわざと組織を大きく誇張したりグローバル化を装ったりしているだけで、 ぶっちゃけ友人の家 です。
引っ越したばかりで辺りは乱雑に散らかっていたが、本棚に「気軽に日本鉄道旅行」みたいなタイトル本を発見した。
家政婦じゃないけどオレは見た！
なんとオレはその本の中で岩手を紹介するページに足だけ間違いなく写っていた！ 呆れるほど台湾とは縁がある。
さて洗濯をしにべランダに出ると全く同じタイプの共同アパートが並んでいた。
最上階の４階なので建物全体が良く見える。
男で４７にもなれば物の理ってものが分かる。
今オレがいるこの共同アパートはたぶん２世代ぐらい前の建築基準法で建てられていて、築半世紀は過ぎていて、コンクリートの中の鉄筋は所々錆び断線し、震度4程度の地震を合図にドミノ倒しが始まる。
この日は 台南の休日 だった。モヒカンを手入れしお洒落をし
昼に近くの料理屋で焼餅麺（日本に絶対ない）や炒飯を食べ、台南市内各地で辻立ちし、明日のカレーライスお振舞会場を視察し、夜に知人らとベトナム料理で一杯やった。
20時にはおとなしく寝たようだった。
第十天 12月8日 台南 カレーはとても美味しかった 走行0キロ
朝何時に起きたのか忘れてしまったけど、この日の行動スケジュールは全て呉女史に任せてある。
彼女は今日オレがどこで何をするのか全て理解していてそれに対し全てをサポートする。
10時頃出発するとのお達しがあり外出の準備、彼女のバイクの後ろに乗る。
どこに行くのか何をするのか？ 全く分からない。
バイクは台南中心部に向かい海安路という通りにきた。
この海安路通りには2016年17年に近くに泊まったから少しは知っている。
どうやら朝食と昼食を10時半にいっぺんに済ませるらしい。
それとそのお店は昨日一緒に飲んだ王さんがオーナーの店で古くからの台南味を味わえるそうだ。
オーナーが客人を連れて行ったら従業員が緊張しないかな？
状況的に陳健一と一緒に四川飯店に行くのと全く変わらない訳だから心配したけど、行ってみたら従業員にその様子はなくいつも通りの仕事をしているように見えた。
オーナーの王さん、知人の鄭さん、呉女史、オレの4人で台南の味というやつを頂いた。
知り合いの店だから言うのではない オレは天邪鬼だからお世辞も言わん。
なんか野菜が異次元に美味しい！ ご飯の上に乗っけて野菜だけで1杯完食した。
そしてこの赤いハタ科の魚も美味い！
王さんの話では「今朝 台南安平港にあがった」そう。
全体的に薄口な味付けでこれだけ美味さを引き出せるのかと驚愕する。
いきなりゲバラン三ツ星獲得！
肝心のお店なんだが困ったことに名前がない。
王さんの2代前のお爺さんが名前をつけないまま始めた料理屋さん
場所を説明すると、「海安路と中正路の交差点を南に50メートル、東側に沙卡里 巴（サカリバ）という集合商圏があってその中を入っていくとある。
料理の心得がある人に是非食べてほしい。 そしてその美味しさの謎を紐解いて下さい。
3つ目のゲバラン三ツ星獲得店は台南に在り 店名はまだない
13時 カレーのお振舞イベントの会場 東区の台南恩友 に到着。
イベント共催者からは50食分とのリクエストだったが、50食と言われたら80食分作る。
大概の人間がおかわりしてリクエスト分だけだと足りなくなる。いつもそうだ。
調理は呉女史とオレ、米の炊飯は台南恩友のスタッフが担当してくれた。
肝心のカレーは15時半には完成し、扇風機にあて急速冷却し味をしみこませる。
この間ちょっとした珍事があった。
このカレーイベントにはもう2人助っ人がいて彼らは気を利かせてビールを買ってきてくれオレはそれをありがたく飲んだ。
ところがそれを知った呉女史はキレてしまい怒りはオレではなく助っ人2人に向かった。
「この人に昼から飲ませないでちょうだい！」たぶんそんな剣幕でヤイヤイ言っている。
どちらもオレにとっては大切なサポーターなんで仲良くして欲しいが、オレが間に入っても一向に鎮火しない。
そこでオレはもう1本のビールを開けて完成したカレールーに注いで「今回の隠し味はビールだ」と言った。
お振舞イベント開始30分前100グラムのバターを追加しみんなで味見をした。
呉女史と台南恩友のスタッフは目を合わせている、助っ人の一人Hsuさんは「これはお店で食べるカレーより美味しいかもしれません」と言った。
オレもそう思った。
これまで台湾で作ってきたカレーの中で一番美味い！ 自信をもってそう断言できた。
日本人と台湾人が一体になって作り上げた謝謝台湾感謝のカレーを誇りに思う。
イベント終了後成功を祝し、呉女史 台南恩友のスタッフ2名 オレの4人でグイグイ飲んだ。
