Day7 12月8日 嘉義~台南 走行111キロ

隣の肉屋さんは夜も明けぬうちに豚を解体
隣の肉屋さんは夜も明けぬうちに豚を解体

3時起床 ジジイになって朝が早くなったのではなく次の日つまり129日に台南でお振舞するカレーイベントが心配で寝られなかった。

昼12時からの告知も済ませ100人に120食お振舞する岩手雑穀カレーだがどう考えても間に合わない。

会場の調理場は9時半から使わせてもらえる約束だけど9時半ではなく6時半から造らないと間に合わない。

台北では釜爺に炊飯をお願いしてなんとか調理に集中できるけど、台南に釜爺はいない。

簡単に炊飯と言っても120人分となると巨大炊飯器との闘いになる。

水加減、火加減これがとても難しい。

何度イメージを繰り返しても9時半から作り始めたら出来上がるのは13時をゆうに過ぎる。

 

懸念を抱えたまま、まだ夜明け前の嘉義をフラフラ彷徨った。

 

8時嘉義を出発。 

早く出た訳は昼までに西港という町に着いて 西品蝦仁爌肉飯というご飯を食べたかったから。

3年前初めての縦断を控えていた時期、ネットで台湾情報を漁った。

安宿、食べ物、ルート等、その中で、片田舎西港の市場に営業時間2時間幻の弁当屋の西品蝦仁爌肉飯が 超 超 超 美味い と紹介されていて3年越しの夢を叶えるべく早めに出発。

13時までに着かないと容赦なく閉店してしまいます。

 

 そんな想いも裏腹に酷い寄り道癖は健在です。

嘉義~台南はこんなルートを爆走☟

京都大学の自転車台湾一周君と
京都大学の自転車台湾一周君と

途中のコンビニで台湾一周中の京都大の学生と会ったりしながら12時西港市場に到着。

本当にこんなところに超絶ウマ飯はあるのか・・ 

疑わしい感じさえする。

 

あった あそこだ!

 

食った。

蝦仁(小エビ)から うん。 普通に美味い。 いい油を使っている。 美味い。

 

次に肉 うん。 普通に美味い。 とても美味い。

 

付け合わせのキャベツもいい。

 

また肉食った。 美味い。 とても甘い味付け なんか魚みたいな味だ。

 

食べている最中は普通においしいだけだった。

 

でも不思議だ。 完食してお礼を言って出て暫く走り始めたあたりで、、

引き返してまた食べたくなってきた。

それとあの肉はたぶん豚だと思う漢字的に、ただ味的にあれは豚より白身の魚に近い。 

 

いやはや参りました。 今まで食ってきた弁当の中で一番美味かった。

台南では日本人宿ハム屋に投宿。

19時、台南の友人が車で迎えに来たから車中で西品蝦仁爌肉飯の話をした。

友人は驚いていた。 あそこは台南でも知る人ぞ知る飯屋で日本人がなんで知っているのって それともう一つ嬉しい情報も それはあんな片田舎まで行かなくても台南市内に小北市場ってところがあってそこに支店があるそう。

 

夜はその友人達に連れられ劉家莊牛肉爐という高級しゃぶしゃぶ店に行った。

しゃぶしゃぶなんて何年ぶりだろう。 しかもここの肉は生で食べれるやつだったから

合法的にレバ刺しが食えた。

 

四六時中こんな美味しい物ばかり食っていたら地獄に落とされる気になる。

 

明日がそんな地獄にならないよう祈るのみだ。


Day8 12月9日 台南 カレーお振舞120食

7時起床 まだ昨日の酒が残る中、調理の段取りを練り直した。

 

炒めるのは肉だけにしてそこにルーとスパイスを砕いて混合1時間放置。

煮えにくい順番で野菜を茹でる。

11時①と②を混ぜ合わせ冷えた牛乳を2リットル投入

 

この料理順序なら12時に間に合う。

それと結局友人達の力を借りる事にした。 厳密に言うと友人達はこの日ゲバラが台南でカレーのお振舞をする事を事前察知していて手伝う気満々だったのだ。

 

つくづく私は友人達に恵まれたと思う。

8時半友人はスクーターでやってきた。

1時間で怒涛の買出しをする。

12キロ、豚肉スーパーにある全て、玉ねぎ4キロ、ジャガイモ5キロ、人参4キロ、りんご2個、セロリ400g台湾長ナス2本にんにく20粒、パプリカ3個、トマト5個、牛乳2リットルを購入。

920分会場の教会へ 約束の時間より少し早いけど調理場を開けてもらい。

 

ノンストップでカレー造りを開始。 ゲバラと友人12号の計3人は安土桃山城を建てるが如く

一心不乱でカレーを造った。

11時全ての工程を終え、会場設営をした。

そして12時 岩手雑穀カレー のお振舞を開始した。

 

告知や事前準備、調理用具、調理場の確保をしてくれた台南のスタッフ

資金を提供してくれた大信田英和さん、手伝ってくれた友人、誰一人欠けてもこの日この時間に120食のカレーは造れなかった。

 

急いで造って味に自信はなかったけど、日本語で「おいしい」と言ってくれおかわりしてくれた人もいたので一つ肩の荷がおりた。

そして「食べに来てくれた皆さんの前で何か話してくれ」とイベント共催者にお願いされたので、「匂いの捜査官」という犬の演歌を歌ってやった。

12時半、イベント会場を後にし、国華街の Chun純薏仁。甜點。へ

ここのオーナーは今年日本各地で被害を受けた台風19号災害に対し、有志一同で宮城県丸森町にボランティアとして乗り込んでくれ、メディアにも取り上げられた方だった。

 

そこで謝謝台湾岩手隊としては是非ともお礼を伝えたく、折鶴200羽を届けました。

 

ちなみにここ Chun純薏仁。甜點。

のこのセットは日本を超えた 和風感 があった。

これを知らずに台湾スイーツを語れない。

 

台南市中西區國華街三段16巷5號

営業時間 11時~18時

14時、友人に連れられ台南名物の一つ蝦仁飯の名店 集集蝦仁飯 へ

 蝦のダシで炊き込んだ飯に蝦が乗っかっている。

美食の街台南の名物の一つだが、炊き出しのプレッシャーから解放された瞬間睡魔に襲われ味わう事ができなかった。

 

結局昼飯後はハム屋(宿)に戻り夕食まで寝ていた。

19時、友人らと夕食 度小月担仔面(台南ラーメン)、鱔魚意麺(タウナギのかた焼きそば)、棺材板(揚げパンシチュー)という台南名物を一気食いした。

これは大阪でたこ焼き、お好み焼き、串カツを同時に食べるに等しい。

 

私にとって台南は特別な街。

それは友人の多さと濃さ。

この晩夕食をともにしている2人の男女は日本の我が家に何度も来ている夫婦。

ただこの時の夫婦は小柳ルミ子と大隅賢也のような問題を協議中だったから・・

 

これ以上は語れぬ深長な夜だった。


               つづき